サクラサイト被害全国連絡協議会

詐欺的な“サクラサイト商法”にご注意を!

裁判事例

裁判事例一覧

サクラサイト被害 裁判事例集

1、対サイト業者(被害額全額認容・相手方業者が 代理人などを付けて争った事案)

(1)さいたま地方裁判所越谷支部平成23年8月8日

(控訴取下確定22年(ワ)252号)【名古屋大会資料集 p 9 5 】

  • 裁判官 佐藤美穂
  • 被害者代理人 土屋文博

く判旨の特徴>

・メールその他の証拠は現存していない事案であるが、23条照会によって国民生活センターに当該サイト業者について同種の相談・苦情が多数寄せられていたことなどから、サイト内でメールをすればするほど双方がポイントを費消するシステムであるにもかかわらずサイト内でメールを継続するようにメールの相手方が仕向けていた事実などから、原告の相手方がサクラでなかったと考えることはできないと判示し、サクラを利用した詐欺行為と認定し、損害賠償を認容した事案

・なお、 ビットキャッシュ担当者は、この判決によってはじめてサクラサイト業者の存在を知ったと証言している。

(2)東京高等裁判所平成25年6月19日判決 (24年(ネ)4873号)

【静岡大会資料集 P10頁以下】

  • 裁判官 瀧澤泉、 三代川俊一郎、 梶智紀
  • 被害者代理人 瀬戸一宏、 福本悦朗ほか

く判旨の特徴>

・原審敗訴(連絡協議会と無関係の代理人が担当)事案の逆転判決

・メールの相手方の内容が不自然であり得ない内容でそのいずれもが実現していない。メールの各相手方の指示に合理性は見いだしがた<、その目的が、利用料金名目に多額の金員を支払わせることを目的としていると認定できること、 高額な利用料金を支払わせることによって利益を得るのはサイト業者以外にないことから、サイト業者の詐欺行為を認定し、 損害賠償を全額認容した判決

(3)さいたま地裁 平成 25年8月27日判決 (23年(ワ)3057号)

【前回静岡大会追加資料別紙】

く判旨の特徴>

  • 裁判官 中山雅之
  • 被害者代理人 長田淳

・上記②の同種事案、同様に損害額全額を認容した事案

・上記②同様、 利益状況に着目している。

(4)宇都宮地裁平成26年1月29日判決 (24年(ワ)297号)

【広島大会別刷り】

  • 裁判官 岩坪朗彦、 杉浦正典、 佐 々 木 淑江
  • 被害者代理人 阿部建ー、神野直弘ほか

く判旨の特徴>

・様々なハンドルネームを使用して原告に利益供与を持ちかけた者は、 被告会社の用意したサクラであるか、あらかじめ被告会社と意を通じたものでなければ、 およそ果たすことはできないというべきであると認定し、サ イト業者の詐欺行為とともに代表者の会社法 4 2 9 条 1 項の責任を認めた。

(5)さいたま地裁川越支部平成26年10月30日判決 (24年(ワ)800号)

【宮崎大会資料集 p 5 2 】

  • 裁判官 田中邦治
  • 被害者代理人 東谷良子

く判旨の特徴>

「被告A と被告B は実質的に同一の法人である疑いが強く仮に両者が一応別個の法人であるとしても、少なくとも本件各サイトを利用した詐欺行為を行うに当たっては、密接不可分の関係にあったと推認することができこれを覆すに足る証拠はない。本件各サイトを利用した不法行為は一連一体のものとして共同不法行為に当たり両者は、原告の全損害について連帯して賠償する責任を負う」と判示し、承継会社に対しても取引期間の全責: l 任を認めた。

(6)静岡地裁平成26年10月23日判決 ( 25年 (ワ)55号)

【宮崎大会資料集 p 1 4 5 】

  • 裁判官 椀智子
  • 被害者代理人 藤森克美

く判旨の特徴>
・被害額のほか 2 0 万円の慰謝料を認容している。

・代表者・ロ座提供者の責任も認容している(共同不法行為)。

(7)広島地裁平成24年 6 月27日判決

【京都大会資料集 7 9 頁以下】

  • 裁判官 衣斐瑞穂
  • 被害者代理人 山本一志、中村健太ほか
  • 業者側代理人 谷口亨

く判旨の特徴>
・業者側から依頼者に直接送付されたメールの内容を根拠に詐欺を認定している。

・代表者の会社法4 2 9 条に基づく責任も肯定

(8)名古屋地裁平成26年 3月4日判決

【広島大会資料集p 1 2 0 以 下】

  • 裁判官 溝口里佳
  • 被害者代理人 小泉友、岩城善之ほか

く判旨の特徴>

・サイト画面自体は保存がなされていない事案において、その後に送信されてきたメールの内容や国民生活センターに対する2 3 条照会の結果などから原告の供述の信用性を認めた。

・代表者の責任を求めた。

・なお、 代表者の本人尋問の結果などから広告費と称して多額の金員が別の事業者に流れていたことが確認された。

(9)宮崎地裁延岡支部平成26年10月20日判決( 25年(ワ)143号)

【宮崎大会資料集p 1 7 5 】

  • 裁判官 長峰志織
  • 被害者側代理人 佐々木龍彦、渡辺純一

く判旨の特徴>
・別人格の 2つのサイト業者、 それぞれの代表者・それぞれの口座提供者について送達先が同一であったこと、同系列のサイト事業者であるとの情報があることなどから損害全部について連帯責任を負わせた。

(10)広島地裁平成26年8月20日判決 ( 26年(レ)55号)

【宮崎大会資料集 P 170】

  • 裁判官 森崎英二、 吉岡茂之、 土山雅史
  • 被害者側代理人 中村健太

く判旨の特徴>
・ウイングネットグループのサイト業者が控訴した事案。組織的詐欺行為を認容し、控訴を棄却。

(11)東京高裁平成29年9月27日判決 ( 29年( ネ)2077号)

【 今回掲載】

  • 裁判官 斎木敏文、石井浩、男澤聡子
  • 被害者側代理人 長田淳、 宮西陽子

・サクラサイトを承継した事業者についても承継前からの損害全額について共同不法行為を理由に損害賠償責任を認容した原審(さいたま地裁平成   28 年(ワ) 3 8 9 号・平成 2 9 年 3 月 2 2 日判決・担当裁判官佐藤美穂)を維持したもの。

理由として原審(控訴審も維持)は「サクラサイトである実態を捉えられにくくするため、 サ ク ラサイトのサイト名やサイト業者を頻繁に変更するのがサクラサイト運営業者の常套手段であると認められる。」と判示している。

2、役員に対する訴訟

(12) 東京地裁平成26年11月10日判決 ( 25年(ワ) 19687号)

【宮崎大会資料 P104 】

  • 裁判官 木納敏和、佐々木健二、小泉敬祐
  • 被害者側代理人 福本悦朗、瀬戸和宏ほか

く判旨の特徴>

・上記(2)判決の役員に対する訴訟:主位的請求である不法行為責任を認容し、1割の弁護士費用も認容した

・実質的な反論をしないこと、尋問の機会に出頭しないことなどを根拠に認定している。

3、背後のグループに対する請求

(13)東京地裁平成26年8月4日判決 (26年(ワ)7823 号)

  • 裁判官 小林久起ほか
  • 被害者側代理人 瀬戸和宏、朝倉祐介、竹花元、石渡幸子ほか

く判旨の特徴>

ウイングネットグループを統括していたウイングネットと代表者に対する判決

(14)名古屋地方裁判所一宮支部和解 (26年(ワ)514号)

ウイングネットグループの約7割の売上げを広告費として領得していた会社に対する訴訟において弁護士費用を除く請求額を支払う内容の和解

  • 裁判官 片田信宏
  • 被害者側代理人 岩城善之
  • 業者側代理人 内藤寿彦、 牧義行

(15)東京地方裁判所 1 7 条決定

(13)事件のウイングネットの更に背後者であるフリーワールド社及び代表者に対する訴訟事件を終結後、付調停にした上で1 7 条決定をした。

ほぼ全額の支払い義務を認める内容。異議なく確定した。

4、決済代行業者等に対する請求

*最重要獲得課題

( 1 ) サーバー型収納代行業者に対する判決

(16)東京高裁平成 2 7 年 9月 3 0 日判決

相手方は、 P 社

「決済代行業者が公序良俗に反する行為を行った加盟店と共謀し若しくは加盟店を幇助して決済代行業務を行った場合に、信義則上の義務をまたずして、その共謀若しくは幇助に基づく責任として、消費者に対して不法行為責任を負 う」「(サイト運営業者の違法行為を)認識し又は収納代行を業とする者として 通常の注意をもってすればこれを認識することができたのに、適切な調査・確認をせず、収納代行の業務の停止又は収納代行契約の解除等の措置もとらないまま、加盟店契約をそのまま継続し、業務の対価を収受して利得を得ながら、 消費者に損害を与えた場合には、民事上も、加盟店審査・管理に係る善管注意義務違反があるとして、故意又は過失による不法行為を構成する場合がある」と規範立している。

訴訟代理人は神奈川弁護団(武井共夫、加藤 武夫ほ か

(17)東京高裁平成29年8月31日判決(控訴棄却・敗訴)

相手方は、 P 社

(16)判決よりも認識可能性を示   す具体的事実があった。被告が原告からの文書提出命令の開示を受けて、任意提出した書証では、消費者がサイトからの直接のメールで損害を被っていることが明白な申出が複数あった。しかしながら、事実認定において、 認識可能性はないとされた。規範立ても(16)判決よりも若干後退していて(18)の後段部分のみに近い。

(16)判決同様の規範立てであれば、勝訴した可能性もあると考えられる事案であった。

訴訟代理人は埼玉弁護団(長田淳ほか)

( 2 ) 電子マネー業者に対する判決

相手方はP社

(18)東京高裁平成28年2月4日判決(控訴棄却・敗訴)

「資金決済法の規定を前提とする金融ガイドラインに示されている確認や対応を怠り、そのために本件電子マネーの利用者に損害が生じた場合には、電子マネーの利用者に損害を生じた場合には、電子マネーに関する契約上ないしこれに付随する信義則上の義務に違反するものとして、債務不履行ないし不法行為による損害賠償責任を負うと解すべきである。」

「電子マネー発行会社と加盟店の関係は、 信販会社と加盟店との関係とは異なるから、( 中 略)控訴人が主張するような加盟店管理義務があるとは認められない。」「もっとも、 電子マネー発行会社が加盟店の販売している商品や役務が公序良俗に違反することを認識しながら、あるいは認識することができたのにこれを認識せず、加盟店契約を継続して決済代行を行った場合は、上記加盟店に対する確認や対応を怠ったものであり、損害賠償責任を負う余地がある。」

訴訟代理人は、 東京弁護団 ( 大塚陵ほか)

相手方は B 社

(19)東京高裁平成29年6月8日判決(控訴棄却・敗訴)

「もっとも、電子マネー発行会社が加盟店の販売している商品や役務が公序良俗に違反することを認識しながら、あるいは認識することができたのにこれを認識せず、 加 盟 店 契 約を継続して決済代行を行った場合は、 上 記 加 盟 店に対する確認や対応を怠ったものであり、損 害 賠償責任を負う余地がある。」

( 3 ) クレジットカード決済代行業者に対する判決

相手方はA 社

(20)東京高裁平成26年11月11日判決

「原判決も説示するとおり、本件各運営業者による違法行為の存在をうかがわせるような事情が被控訴人には認識できなかった状況において、決済手段を提供するにすぎない被控訴人に対して、本件各運営業者に関する調査等を積極的に行って監督する義務を課すのが相当であるとも解することはできない。」

※ PIO-NET情報などでは当該業者の苦情件数も少なく、決済代行業者が苦情を知っていたという事実が証拠として出せなかった。

( 4 ) 口座提供型決済代行業者に対する判決

(21)広島高等裁判所平成27年12月16日判決(一部認容・過失相殺)

「しかし、 原判決を引用して認定したとおり、控訴人らにおいては、海外サイト業者Gが違法なサイト運営を行っていることを認識しうる状況にあったのであるから、 当該経営判断に責任が及ぶことは避けられない。」(中略)「控訴会社が不適切と判断した場合は無催告で収納代行サービスの提供を停止できることなどについて約定されていることからすれば、結果回避可能性も認められる。」

訴訟代理人は広島弁護団(山本一志・中村建夫ほか)

5、信販会社に対する訴訟

(22)東京地裁平成25年5月29日判決

  • 裁判官 飯淵健司
  • 被害者側代理人 加藤武夫

く判旨の特徴>

加盟店から売上債権の譲渡を受けた者は、加盟店(サイト業者)を特定して主張する必要があり、これを特定しない主張は債権発生のための請求原因事実として主張上失当であると判示した判決。

なお、チャージバック等の適切な措置をとらなかったことを理由に信販会社に対する賠償責任を認めた裁判例も参考になる東京地裁平成21年10月2日判決(確定)「原告は、割賦購入あっせん業者として、購入者から、加盟店との間の契約における抗弁事由をもって支払停止の申立を受けた場合 、その抗弁事由の内容及び理由について、購入者の協力を得ながら十分調査を行い、それまでの間はむやみに支払請求を行わないよう努めるべきである。・・・・・そして、本件のように、1 回払いを選択したこと等により、抗弁を原告に対抗し得ない購入者からクレームを受けた場合には、原告においては支払請求を停止すべき法義的務はないものの、購入者と加盟店との間のトラプルの有無や内容の状況を確認調査する等して、むやみに購入者が不利益を被ることのないよう協力すべき信義則上の義務を有するものというべきである 。と判示し、適切に苦情が伝達されていればチャージバックが適用され、代金返還の可能性があったのに、その可能性を喪失させ損害を与えた点について、信販会社に賠償責任が認められた。

以上

【国民生活センター】サクラサイトの運営業者に対し不法行為責任を認めた事例

複数の有料メール交換サイトの運営業者(被告)が、サクラを使って消費者(原告)をサイトに誘い込み、金銭の供与等を持ちかけるサクラとのメール送受信等を通じて多額の金銭を振り込ませるなどしたとして、消費者である原告が、詐欺による不法行為に基づき損害賠償を求めた事案についての裁判事例が国民生活センターのホームページで公開されています。

裁判所は、運営業者である被告が、複数のサイトでサクラを使用し、資金援助や連絡先交換等が実現する可能性があると原告を誤信させ、利用料金として多額の金銭を支払わせており、詐欺に該当するとし、被告の不法行為責任を認め、原告の損害賠償請求を全額認容しています。(東京高裁平成25年6月19日判決) 。

詳細については独立行政法人 国民生活センターのこちらのページをご覧ください。